しかし、ツーリングをする為のソフトウエアが本当に充実している。その筆頭は道路であるが、高速道路、一般道路を問わずライダーの利用を考えられている。休憩所、停車帯は頻繁にあるし、気の利いた休憩所ならキャンプもできる(実際にしている人を良く見かけた)。
長期旅行でコストを下げたいなら、治安の良さのおかげで十分に野宿も可能な国々である。交通法規、マナー等も良い。何より、バイクで旅をするということが社会的に認知され、老若男女問わずそれを楽しんでいることが素晴らしい。
ハードウエアであるバイクがいくら良くても、それらのソフトが駄目であればツーリングは快適にならない。その点、北欧は最も快適にツーリングできる国々であるかもしれない(物価高が問題だが)。
出発前にバイクの確認をしていると、同じ宿に泊まっていたVTRのおじさんが話しかけてくる。
今日も朝の気温が12度と寒いので、「寒いので辛いね」と言うと、「とんでもない、この位が丁度良い。気温が20度を超えるととても走る気になれない」との返事。
こちらとしては、20度を下回ると走りたくなくなるのだが、皮膚の耐寒性に10度以上の差があるようである。ゴアテックスのジャケットを着ていたが、その下はどう見ても私より薄着。
45号線をひたすら南下する。主要国道ではあるが交通量が少なく走りやすい。
最初は気温こそ低いが良い天気だったのだが、午後から雷雨となる。連日の雨天走行である。雨がやむと今度はすごい風。
今日は、下半身にゴアウインドストッパーを履いて、すべての装備を見に付けての走行となる。下半身は快適になったが、今度は上半身がスースーする。今まで着ることがなかった、ゴアテックスの合羽(上着)を着る。寒さ凌ぎに効果があるかと試しに着てみたゴアテックスの合羽が思いのほか効果大であった。薄いものであるが風を完全に遮断する効果が高いのであろう。
ついでに、合羽の下も身に付け、これで持っているものすべてとなる。これで15度程度の走行なら大丈夫なことが分かった。
南部の主要都市Moraのアメリカ式のホテル泊(65ユーロ)。ホテルに併設されていたレストランでカントリーソングを歌っていた歌手はタイ人。プーケットから1.5ヶ月の予定で来ているとのこと。
でも、なんでこんな田舎町にいるのだろうか。タイでの携帯電話の番号をくれる。バイクを見せてくれと言うので見せると、「こんなバイク見たこと無い」と驚いていた。「寒い寒い」と言っていた。そりゃそうだろう。ここの最高気温がタイの最低気温より遥かに低いのだから。
ここまで、6日間の連続走行である。途中どこかで連泊を入れたいが日程的にかなりきつい。今日も行ける所まで行くしかない。幸い天気は良い(気温は相変わらず低いが)。