欧州縦断:2003年夏

2003年8月3日 DAY 12

ノルウエーの海岸は常に雲がかかっていることが多いようである。のんびりと準備して出発の11時近くになると太陽が顔を出す。天気が良くなるだけで嬉しくなるのはライダーの特権である。大体、雨晴れに一喜一憂することは車ではあり得ないが、ライダーは常にそうなのである。

十分に睡眠を取った為か、昨日悩まされた睡魔は襲ってこない。気温は20度程度と低いが、フル装備をするば丁度良い感じ。引き続きE-6を南下する。



E-6はNordkappの入り口から延々3000キロ近く首都のオスロまで続くメイン道路で、極めて起伏に飛んだ道である。今日も最初の200キロ程度は海岸沿いのフィヨルドを満喫し、E-10とぶつかる地点あたりから内陸に入り、今度は丘陵地帯・浅い森を抜ける。

このルートは、ワインデイングがひたすら続くので、速度を適当に抑える必要があるので、時間的に相当楽しめる。しかも、3000キロもあるのだ。森に入ると、木の陰で動いている物が見える。ついにムーミンの登場かと興奮するが、羊であった。

只、この羊近づいてみると、ムーミンのような顔をしており、心なしか微笑んだようにも見えた。その後も何回か羊の群れを見かける。



楽しめるのは良いのだが、今日辛かったのは気温の低さ。時折太陽が出るのだが、それでも気温は18度程度。内陸に入ると雨混じりとなり更に気温が下がり15度程度。風が弱いので幸いだが、それでも相当寒い。

キャンプ用に持ってきたフード付のフリースを着込む。フードが頭に被り、その上からヘルメットを被る。これで上半身はなんとかなったが、次は下半身が寒くなる。

既にダクロンウールのパッチを穿いているので、これ以上となるとウィンドストッパーパンツを更に穿くしかない。但しそれをするとかなりかさばるので動きを阻害する恐れがある為、穿くことをやめる。

しかし、15度程度でこうなのだから、春秋走る場合は、相当のヘビージャケット・パンツの組み合わせが必要ということになる。BMWのシアトルスーツかストリートガードあたりが必要なのだろう。



雨が強くなり視界の確保が困難になり、スピードを80程度に抑えて走る。Narvikに入った時に更に強くなり、めげてホテル泊。NarvikHotel(750クローネ、100ユーロ)はこぎれいであるが、ホテルは高いなあ。

やはり距離を稼ぐためには、早朝出発が基本である。往路は連泊日を2日入れたが、復路は連泊無しの連続走行とする。その為、一日の走行が少なくても予定通りソフィアに帰れる予定である。

この後引き続き海岸線を走るか、いっそのこと内陸に逃げるかの選択が必要である。海岸線は街も多いので、距離がどうしても稼げない。しかし、連日の寒さにはまいるなあ。

走行397キロ