欧州縦断:2003年夏

2003年7月24日 DAY 2

5時過ぎに目がさめる。散歩をして準備終えて朝飯。レストランが6時からやっているのであり難い。夕食も6-10時と早寝早起き生活には助かる。ラテンの国だと晩飯時間も朝飯時間も遅いので調子が狂う。

宿のおばちゃんによると、ハンガリーのEU加盟は1年以内。ユーロ導入は5年程度とのことである。既に、ユーロはどこでも使え問題ない。



ブダペストを目指してE-75を北上。途中料金所があり、100キロ程度なのに10ユーロもした。

ブダペストを迂回してE-60を西にオーストリアを目指す。こちらの区間は200キロ以上走ったにもかかわらず無料であった。

北欧への最短ルートを取る為、ウィーンの手前100キロ地点からE-65に乗り進路を北へ。2斜線道路だが舗装が良く交通量も少なく快適。

まもなくするとスロベキアとの国境に到着。パスポートのチェックだけで、バイクの書類のチェックは無し。この国の高速道路もハンガリー同様ドイツ並みの整備状態。

とにかく車の量が少ないので飛ばし放題。制限速度は130キロなので、車の流れは相当速い。但し、時折超スローなポンコツやトラックが前をふさぐので要注意。

ガイドブックによると、高速ステッカーを買う必要があるとのことなので、税関で訪ねると、「バイクは不要」とのこと。100キロ程度走ると、今度はチェコとの国境。ここもパスポートチェックのみ。

両国は10年ほど前まで同じ国だった訳で雰囲気も似ている。民族は違う筈だが、イミグレと税関の役人の顔しか見る機会がないので違いが良く分からないなあ。共に高速は無料。これは助かる。



プラハを目指してひたすら北上。プラハの手前で北緯50度を越える。

今日も緯度で4度上がったことになる。日没は20時50分になる。日の出は5時10分。

プラハを越えてドイツのドレスデン辺りまで行くつもりでE-65を走り続けるが、途中でE-55に乗る道を逃してしまいそのままE-65でドイツを目指す。

最後は細い山道を抜けて、7時過ぎにようやくドイツにたどり着く。ドイツ国境(Zittau)では書類の審査が厳重で大変だった。パスポート、登録証、国際保険証を渡すと、ナンバーを見て「どこから来たんだ」と言うので、「ブルガリア」と答えると、「ちょっと調べるので待て」と言われしばし待たされる。

その後、免許証を見せろと言うので、国際免許証を渡す。ここに来るまで免許証の提示要求はなかった。更にしばらくして「国内免許証を持っているか」と聞くので、「国内は日本に置いてきた。こちらでは国際だけで良い筈。いつもはレンタルだけでそれで大丈夫だった」と言うと、国内が無いとまずいような顔をして、また「しばらく待て」と待たされる。

なんとなく、嫌な雰囲気。最悪、入国拒否されたらどうしようと考える。

「ノルウエーまでムーミンに会いに行く」なんて言っても通用しないだろうな、戻るとしたどのルート等と心配になる。延々待たされて1時間程度が過ぎた時、ようやく「この国際免許証の番号は国内免許証と同じなんだな」と言うので、「そうですよ」と答えると、「なんだそれなら問題ないよ」とのこと。色々調べていたようなので、免許証番号を照合したのであろう。



流石ドイツ。テロリストの進入等に神経質なせいか、"怪しい"侵入者にはチェックが厳しい。確かに、バイクはブルガリアからで、パスポートは日本、パスポートのスタンプが山ほどあるので、怪しまれても仕方がないか。ここまで来る国境でも、パスポートは念入りに調べられた。

問題はないのだが、早々にパスポートを新しくする必要がある。スタンプが多いのは良くないことは経験的にわかっている。最後に税関の叔父さんに近くのホテルを尋ねると、「200メートルも行けばあるよ」とのことで、すぐそこのこじんまりしたホテル(HotelRiedel)に投宿。ガレージにバイクを入れてくれた。

駐車場で、「そのナンバー見たこと無いけど、どこから来たの」と聞かれる。「ホテルは高いから、プライベートルームにしたら。紹介するよ」とも誘われたが、「今日は疲れたのでここで良いですよ」とホテル泊。ビールとニシンのムニエルを食べてすぐ寝る。


走行800キロ