豪州半周:2001年冬

2002年1月2日 DAY 12

そういえば、最近Adelaide近郊で若い邦人女性が殺害されたとのニュースを報じていたのを思い出した。一見極めて平和そうな町であるが、よほど運が悪かったのであろう。



連日の風との戦い。Adelaideから70キロ程続くフリーウエイ上はそうでもなかったが、Route1の海岸線に入るとものすごい風になりおまけに雨も混じる。まるで台風である。

避難しようにもどうにもならず、速度を押さえて走り続ける。

雨はしばらくすると上がるが風は350キロ程先のMillicentまで続く。これほどの風は、アメリカでも経験していない。いつかは走るつもりである風の大地パタゴニアをイメージして走る。

気温も12度まで下がり、グラブも冬用に変え、グリップヒーターを最大にする。

ついこの間までは、パリ・ダカをイメージして、灼熱のアウトバックを走っていたのとえらい違いである(そういえば、今パリ・ダカのニュースをやっている。何時かは走って見たいものである)。

この気候の変化を楽しめるのもバイクの醍醐味である。バイクを乗らない人間にとっては、変態としか映らないであろう。

Millicenからは、道路沿いの防風林のおかげで楽になる。それもしばらくすると切れて、又風に向かうことになる。Mount Gambierまでしんどい思いをするが、その後はいくらか楽になる。



目的地のGreat Ocean Roadに西の入り口であるWarrnamboolにつく頃は又雨になる。モーテルを当るが、軒並み満室。4件目でようやく部屋にありつく(97ドル)。ここも、買い物をして帰ってきた時は満室になっていた。



今日は、今回のツーリング通じて初めてチョンボをしてしまった。寒さで注意力が低下していた為か、バックの蓋のチャックを閉めないでしばらく走ってしまった。その為、春秋用のグラブとタオル2枚が飛んでしまった。

春秋用のグラブの替えはあるが、替えのない冬用グラブをしていて飛ばなかったのが不幸中の幸いであった。やはり、使い慣れないギアは常に注意が必要である。



本日の走行668キロで、第3ステージ計は2409キロ。総計7482キロ。



しかし、一日1000キロを超える走行を計画し、すべて予定通りに目的地に着いてしまうのは結構すごいことである。

バイクの性能によって行動範囲はある程度決まってしまうが、BMW B1150GSはその範囲が最も広いバイクであることを実感している。

ダート走行はほとんどしていないが、休憩エリアが未舗装のことが多く、そんな場合でもK1200LT等の重量級バイクだとちょっと緊張するが、軽快なGSなら楽勝である。

道を間違えてUターンをしなければならない時も同様である。全くこいつはすごいバイクである。昨日、途中であったカップルが同じGSに乗って、自宅のあるDarwinとAdelaideを往復していた。

GSのコメントをしてもらうと、「どこでも行けるし、いつまで走っていても疲れない」とのことであった。同感。これだけ走って、しかもきつい状況下でも、バイクを降りたら普通の行動ができる。翌日身体が痛いこともない。

日本製の大型バイクだと(ゴールドウイングは別)、手が痺れていたり背中が痛くなるはずなのであるが、、、



今のニュースで、シドニー郊外で大規模な山火事が発生しているようである